【短】同窓会―episode 3―
「まぁ、確かにあの頃の俺は、死んでもいいと思ってた。
死んだ直後は、自分が死を望んでたんだから、死んだのは当然のことだと思ってた…。」
秋山先輩は、少しだけ視線を下に向けて言った。
「でもさ、お前があの時、俺にくれた言葉を思い出して…。
やっぱり死にたくなかったって…今はそう思ってる。」
秋山先輩は今度は真直ぐ私を見て、言った。
優しい、笑顔で。
懐かしい、笑顔で。
私の目に、涙が溢れた。
「……秋山先輩…。
やっぱり…ひっく…
死んで欲しくなかった……。
ひっく…生きて…もっと一緒に…走りたかった…。」
涙で、秋山先輩の表情は見えなかったけど、なんとなく肩が温かく感じた。
多分、秋山先輩が肩を叩いているんだ。
これが秋山先輩の、人の慰め方だから…。
「初めて嶋津に会った時…生意気だけど、コイツとなら、なんにも気兼ねされずに、笑いあえるって…思ったんだ。」
震える声で、秋山先輩は呟いた。
私は思いがけない言葉に、そっと耳を傾ける。