【短】同窓会―episode 3―


「嶋津先生。」


授業から職員室に戻ってきた水城先生は、あたしに笑顔を向けた。


ほらね、また笑ってる。


「なんですか。」


素っ気無くそう言ってみる。


「今日もまた寝るんで、起こしてください。」


そう言って水城先生はそのまま自分の机に俯した。


いつも、火曜日の5時間目は、私と水城先生だけ授業がないから、多分気楽に寝れるんだと思う。


水城先生はいつもプリント作りとかしてるから、顔には出さないけど相当疲れてるんだろうな。


いつもながら寝相良くスースー眠る水城先生を眺めた。


……やっぱり、あの人に似てる。


脳裏にこびりついて離れない、あの人の笑顔。


『…馬鹿だな、嶋津は。』


水城先生を見ると、顔も、声も、表情も、一気に思い出してしまう。


だから、嫌い。
水城先生なんて。



………勝手に死んじゃった、



秋山先輩だって…。



嫌いだよ。





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