しゃぼんだま
私は、このクラスが大好きだ。

…でも、何かが違う………


#2  みんなそれぞれ


私って一体何なのかな。

お金持ちぶって。
可愛子ぶって。
現に、自分は、クラスの中では可愛い方だと思ってた。
キャラを、たくさん、たくさん
作ってた…


ある日。私のクラスメイトに、男子が告った。
その子の名前は"珠詩香"。
家が病院で、お金持ち。
ハッキリ言って、可愛い。
しっかり者。
明るい。

完璧だった。

でも、私は否定したんだ。


なんで私じゃなくて、あの子なの?


…馬鹿だよね。
その頃の私、みんながみんな、
『自分の事が可愛い』
って思ってるんだ、と思ってた。


でもふと気付く。



私の長所ってあるの?


この1-F、39人。
みんな、長所を持っていたんだ。
私の友達にも。長所があった。
ピアノが弾ける。
絶対音感を持っている。
歌、ダンス、習字…
色々出来て、賞を貰って。
頭が悪くて、長所が無さそうな子と友達になれば、自分が上になれると思って、逃げた。
でも
その子は、運動が出来た。
面白かった。
優しかった。
字が上手かった。
絵が上手かった。
文章力があった。

「そんなの、私は習ってないからしょうがない」
といって、
逃げた
逃げた
逃げた。


全てが嫌で。
よく見れば、私は不細工で。
あの子のマネをしたけど、上手くなれずに。
さらに自分を失って。
その事誰にも言えずに。
紙に書いた。でも
兄弟に見られたらいやだと言って、捨てた。

私には何が出来る?


日に日に問い続けた。


ベットの中、こっそり泣いて、枕を濡らして……



毎日呪文の様に唱えていた。



「私には、何も無い。こんな風に育てた、親を憎む……」
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