━あの時、あの場所で━
「あー、ちょう面倒なんだけど」
佐久羅とあたしはぶつぶつ呟きながら走っていた。
「佐久羅、いろは、ちゃんと走りなー」
「はーい」
先輩の一声で私と佐久羅は本気で走り始めた。
こんなにめんどくさいことなんてあるのかな…
走りたいときには走らせてくれないのに…
「ランニングお疲れー、10分休憩してから打ちあいねー」
あっ…隣のコートは男子なんだ…
つばさ…いるのかな…
「つばさ…がんばってるかな…何て考えてたでしょ?」
「また佐久羅?てか今日はシングル勝つから!」
「かかってきな!」
あたしと佐久羅って30戦15勝15敗だから…。きっとダブルスは30戦15勝15敗ってとこだと思うけど…
あたし達は部活を終わらせて帰った。
「いろは、帰ろうぜ。」
後ろに立っていたのはつばさだった。