━あの時、あの場所で━
「明日は学校で会おうな。」
「うん。」
そんなこんなで俺は5年生、朱美が6年生になった。
1年続いたことで喜んだ俺とは反対に朱美は去年までの笑顔は少なくなった。
「朱美、何かあったのか?」
「えっ…何でもないよ…」
何でもないわけねーだろ…。
こいつ…絶対何かあったんだ…。
「俺って…1つ年下だから頼りねえ?」
「どうしたの…?」
「…なんでもない」
俺はそのままその場から立ち去った。
あいつには何を言っても無駄だと思ったから。
それからというもの、朱美とは会う回数が減った…というか
朱美が学校へ来なくなった。6年生に聞いても何も知らないと言う奴ばかりだった。
自然消滅ってやつかな…。
そのまま時だけが過ぎた。
朱美といれる時も減っていくのみ…。