━あの時、あの場所で━
【つばさ、あたしの家に来て。】
ただその一言だけの朱美からのメールだった。
俺は急いで朱美の家に向かった。
「朱美…なんだよ…」
「最後の…お願い…聞いて」
「なんだよ…」
「あたしを…抱いて…」
俺は何も言わず何も聞かずに朱美を抱いた。
その翌日、クリスマスに朱美は俺の前に姿を見せなくなった。
朱美の親によればあいつは重い病におかされていたという。
そのままあいつは俺が抱いた後に死んだという。