メンドーをおかけシマス
自分の気持ちを伝える前に・・・
ふられちゃった。

うっ、ぐすっ、くっ、うっ、
声にならない嗚咽が
テニス部の部室に響いた。

「佐久本・・・」

一平の沙南を
抱く手にますます力が入る。

一平は、
沙南が何も言わずに
自分に抱きしめられているのを
誤解していた。

沙南も自分を好きなんだって。

その様子を見ている影が・・・ 2つ。

1つは、羽瑠と亜由美と郁美。

沙南の恋を見届けるべく、
後から部室にやってきていた。

そして、
部室の入り口から
中をのぞき見していた。

こっ、この展開は、なに?

三人は、 声も出せず、
動きもできず、 事の次第を見ていた。
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