メンドーをおかけシマス
私は、
後のことを羽瑠たちにまかせて、
そっと体育館を出た。

体育館は、
熱気むんむんだったのに、
外は、
梅雨の晴れ間で
すっきりした青空だった。

グラウンドからの風が心地いい。

体育館の側のテントでは、
1、2年生たちが
せっせと網の上の肉やら
コーンやらを焼いている。

去年までは、
私もやっていたなぁ~。

『がんばれ、みんな!!
時々は、つまみ食いしないと、
食いっぱぐれるぞ!』

私は、心の中で
下級生たちにエールをおくると、
グラウンドの隅にある
部室長屋に向かった。

テニス部の部室は、
2棟並んだ部室長屋の
奥の一番端にあって、
グラウンドの網近くで道路に面している。

網は、下のほうが破れて?

いや、 誰かが破って!!


いて、 道路から
直接部室長屋のほうに
入れるようになっている。

だから、時々、
朝練に遅刻しそうな各部の部員たちが、
校門まで行かずに
この破れ目から
部室になだれ込んでくる。

一番多くなだれ込んでくるのは、
やっぱりテニス部なんだよね。

朝練の回数も他の部より多いし。
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