振り向いてッ!




「お前、ムカつくんだよ。放課後、体育館前に来いよ」

俺を睨みつけながら、捨て台詞を言うと、スッと消えていった。

「……行く訳ねーだろ」

「あ、あの、黎―――…」

「あ?」

「ひっ…な、なんでもないです」

そう言って悲鳴を上げた女子は席に戻った。


「黎哉くぅーんッ!」


教室の外から、俺の名前をバカデケェ声で叫ぶのは

「宇魅先輩…」

しか、いない。



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