愛しいあの子は私の兄 !?
その内サッカー部の
朝練が始まった。
私はグランドの
フェンスに張り付いて
思いきり叫ぶ
『井上くーん!ファイトぉー!!』
そう。
私の遅刻は
サッカー部の朝練の事。
入学当初から
ずっと彼―井上翔くんに
片思いしてるんだ
だけど当の井上くんは
私の言葉が聞こえてるくせに
完全無視 …
な、はずだったのに。
井上くんは
ちらりとフェンス越しの
私を見ると
口角を上げフッと笑ってくれた
え…え ?
あ、あの井上くんが
私に …
笑い掛けてくれた … ?
私は夢でないだろうかと
ほっぺたを思い切り抓ってみる
い…いひゃい …
って事は…
夢じゃない … !