愛しいあの子は私の兄 !?

その内サッカー部の
朝練が始まった。

私はグランドの
フェンスに張り付いて
思いきり叫ぶ

『井上くーん!ファイトぉー!!』



そう。
私の遅刻は
サッカー部の朝練の事。
入学当初から
ずっと彼―井上翔くんに
片思いしてるんだ

だけど当の井上くんは
私の言葉が聞こえてるくせに
完全無視 …


な、はずだったのに。

井上くんは
ちらりとフェンス越しの
私を見ると
口角を上げフッと笑ってくれた

え…え ?

あ、あの井上くんが
私に …
笑い掛けてくれた … ?
私は夢でないだろうかと
ほっぺたを思い切り抓ってみる

い…いひゃい …

って事は…
夢じゃない … !
< 6 / 14 >

この作品をシェア

pagetop