BitterChocolate
03.不安と、緊張と
 「よしっ…!」

私は小さな声の中に揺るぎない決意をにじませて呟くと同時に、メールの送信ボタンを強く押した。

小林くんにアドレスが書かれた手紙をもらったその夜。
私は変に深くは考え込まず、自分の気持ちに素直に―小林くんにメールを送ることにした。

そもそも、メールを断る理由がない。

当時の私には、彼氏も、好きな人すらもいなかった。

小林くんにその気があるのかは知らないが、少なくとも私にとって、これが心ときめく出逢いになればいいと思う。

私はそんなことを思った。

それとも私はもう、ときめいているのだろうか?
玄関で声をかけられたあの瞬間から?

ほんの少しだけ、鼓動が速くなる。


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