学園Princess


そして
竜也と祐斗が
ちょうど向かい合う
場所で足を止め、

「竜也。
愛梨ちゃんのこと
泣かしたら、
無理矢理奪うからな。」
「分かってる。
絶対、しねえよ。」

祐斗に
抱きかかえられた
まま
聞く、二人の会話。

「愛梨ちゃん?
竜也に幸せに
してもらうん
だよ?」
優しく微笑みながら
言う 祐斗。
私は
小さく頷いた。

「愛梨。」
竜也が呼ぶ。
竜也は両手を
広げて
「おいで」と。

『竜也ー。』
祐斗の腕から
竜也の腕の中へと
ダイブする。
竜也は私を
よろけずに
受け止めてくれる。
正面から。
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