学園Princess

そのハンカチは
私たちより
遥か上を舞っていて
風がおさまると
同時に
たくさんの
桜の「木」の中でも
1番大きな桜の「樹」
の てっぺんの方に
引っ掛かった。


「あーあ。
あれじゃあ、
取れないわね!」
「うん。
あんな
高い所だもんね。
それに
あのハンカチの
持ち主さん
あのハンカチを
追いかけて来ない
みたいだし
あんまり
大切な物じゃない
の かもよ?」
『……。』
「それもそぉーね。
あのハンカチの
持ち主どころか
持ち主の使用人すら
追いかけて
来ないし!」

ここの学園は
普通の学校と
違うから
生徒の隣には
常に執事さんが
ついている。
授業中も食事中も。

でも、ゆみ や 海夏は
執事さんには
頼み事とか
そんなこと以外には
控えてもらっている。
それも
私に気遣って
くれている一つ。
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