学園Princess
私たちに
気づいたらしい
原西さんは
「あっ!」
と 一瞬驚いたような
顔をするなり
「竜也。
よかったじゃん。」
と 篠崎さんに
声を掛け、
「君たちが
見つけてくれたんだ?
ありがと。」
と 私たちに
礼を言った。
すごく謙虚で、
篠崎さんの事
なのに、自分の事
みたいに
礼儀正しい
原西さんを
見て、ゆみ は
「いえ。
私たちが
見つけたんでは
なく、桜の樹に
引っ掛かった
ハンカチを
この子が
樹に登って
取ったんです。」
と 言いながら
私に顔を
向けた。