学園Princess

祐斗が指差す方を
見ると
一本の桜の樹を
囲んだ、野次馬が
たくさんいた。
不思議に
思い、その桜の樹の
方へ向かってみると
桜の樹の下で
朝、教室で会った
彼女がいた。
なんだか
彼女は友達に
怒られている
みたいだった。
すると
「あっ!」
思わず声が出た。
あの桜の精の様な
彼女が俺のハンカチを
持っていたから。
礼を言って返して
貰おうと思い、
彼女に声を
かけようと
すると

『T…S…?
…って言われても
T.Sさん
なんて、たくさん
いるよね?
誰のなんだろぉ…。』

と聞こえたから

「俺の。」と
無意識のうちに
答えていた。

彼女達が
驚いていたから
「篠崎 竜也だから、
T.S。」
と 言うと
『あっ。
本当だぁ!』

まるで小さな子
みたいに、
はしゃいでいて
かわいかった。

その後
祐斗もやって来て
彼女の友達が
《わざわざ、樹に
登って
ハンカチを
取ってくれた事》を
教えてくれて、
驚いたし
すごく嬉しかった。



予鈴のチャイムが
鳴ったから
彼女が何故、
俺のハンカチが
《大切な物》だって
気づいてくれたのは
結局、聞けなかったが
《ムーンダストの
刺繍を見て、
わかった。》と
言っていたから
彼女は
知っているのかも
知れない。
ムーンダストの










花言葉を。
< 49 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop