学園Princess
そんな私を
気遣って
「とりあえず、
外にでよっか?」
と 原西さんが
言ってくれた。
外に出た後、
「ごめんね。
なんか、俺らのせいで、
嫌な思い
させちゃって…」
と
原西さんと
篠崎さんが
申し訳なさそうに
していたから
『いえ。
こちらこそ
気遣いさせちゃって
すみません。』
と 謝ったら
「そんなこと
ないって。
…
じゃあさ
気分かえて、
お茶しよーぜ。」
『あっ。
その事なんですが
せっかくなんですけど
遠慮させて
もらいます。
本当、すみません』
と 頭を下げる。
「やっぱり、
さっきので
嫌な思いさせちゃった
よね…
本当、
ごめんね…」
と。
原西さんが
おどおどしながら
また私に
頭をさげてくる。
多分、私が
さっきの事で
傷ついていると
思っているんだと
思う。
『すいません。
そうじゃないん
です。
私、バイトが
有るんで…
だから…。
せっかく誘って
くれたのに
すみません。』
「愛梨、今日、
バイトだっけ?」
『うん。』
と ゆみ と
喋っていると
「バイト…
してるの?」と
不思議そうに
原西さんが
尋ねてくる。
『あっ。はい。
私、駅前の花屋さん
で バイトしてるん
です。
もし良かったら
今度、遊びに来て
くださいね!』
「お花屋さん
なんだ!
じゃあ 今度
買いに行かせて
もらおうかな!
と 優しく
言ってくれる。
だから つい
『私、榎本愛梨って
言います。
よろしく
お願いしますっ☆』
と 頭を下げ
『でわ また
明日っ☆』
と 言って
小走りで学園を
出た。
その時の
私たちのやり取りを
睨みながら
見つめている
のを 知らずに。