学園Princess
「もう、大丈夫か?」
『うん。』
篠崎さんは
しばらくの間
泣いてる私に
何も言わないで
ただ 優しく抱きしめて
くれていて
泣き止むまで
ずっと傍に
いてくれた。
「そぉいえばさ。」
『なんですか?』
「なんでさ、
あの時のハンカチ、
大切な物だって
分かった?」
『ハンカチ…?
あぁ!
ムーンダストの!』
「そぉ。それ。」
『花言葉です♪』
「花言葉?」
『ムーンダストの
花言葉は永遠の幸福。
私が両親のコトで
知っている事は
《二人とも、
花が好きだった》
って事なんです。
だから、私も花が
好きになってて。
それで、バイトも
花屋でやってる
んです!
それで、花言葉トカも
覚えて。
ムーンダストって
カーネーションの
一種なのに
紫っぽくて
かわってるから
刺繍、見て
すぐにムーンダストだ。
ってわかって、
永遠の幸福を
願って
刺繍したって事は
きっと大切な物
なんだろうなって
思ったんです』
「花言葉、
知ってたんだ。」
『はいっ!』
「あの、ハンカチは
婆ちゃんが刺繍
してくれてさ。
俺、婆ちゃんっ子で
婆ちゃんが大好き
だった。
まぁ、
俺が幼稚園の時
死んじまった
けど。
だから、
ハンカチ拾ってくれて
まじサンキュー
だった」
『…いえ。』
「なぁ!
今度、店に行っていい?」『ぜひ!
お待ちしてます♪』
私達はその後も
しばらく話しをして
から、
二人で桜の樹を
降りて、
私を家まで
送ってくれた。