学園Princess
俺もその樹に
登って、榎本に
気づかれないように
枝に腰をかけた。
彼女は
すごく思い詰めた
顔で今にも泣きだし
そうだけど
堪えている様子だった。
{堪えないで
泣いても…}
「いいんじゃん?」
『えっ!?』
すごい驚いている
彼女。
『篠崎さ…ん?』
「よっ。」
『どうして?
ここに!?』
「あぁ。
走ってたら、
樹に登ってる、
お前見たから」
俺も登ってみた。」
『走ってた…
んですか?』
「あぁ。
体力づくりって
とこ?」
『そう言われれば
ランニングウェア
ですね』
「気づくの遅っ」
『ハハッ』
自然に笑う彼女。
「その顔。」
『えっ?』
「笑ってる方が
いい。」
『……。』
「でも、
泣きたい時は
泣いていいん
じゃねぇーの?」
『……。』
「藤田や高山が
お前の事、
すっげー
心配してた。」
『……して?』
「ん?」
『どおして?
私なんだよ!?
ゆみ や 海夏を
傷つけたのは。
なのに…
どおして?
どおして
私なんかの事、
心配したり
するの?』
「……。」
『…誰か…
教えてよ…。』
そう言って
顔を隠すように
体育座りし始める。
{一人で
抱え込まなくていい。
もっと、
頼っていいんだ。}
そう思いながら
彼女を
優しく抱きしめた。
{それに
お前の事を
心配するのは…}
「大切だからだろ?」