きもち野獣。

秀才くん


『風間先生、流川君が困ってます。』


皆の笑い声が収まってきた頃、いかにも真面目そうな男子がピシッと言った。
少し上がった目、白い肌、黒く程よい長さの髪、高い身長、筋の通った姿勢。
とても綺麗な人だと思った。
私はついマジマジと見てしまった。
すると彼は私の眼差しに気付いたようで、ニコッと笑い、自己紹介をしてくれた。

「彩崎秀人です、よろしく。ところで私の顔に何かついてますか?」

まるで肖像がそのまま出てきたかのような微笑みだ。

私は慌てて、いえ何にも、と否定した。

「綺麗な人だなぁ…………ぁ」


また勝手に本音が…!!
うわー絶対引かれた変な子だと思われた…!!

しかし彩崎さんは直ぐに否定したりはしなかった。
しかもクスクスと笑いながら、

「宮内さんは本音が口にでちゃうタイプなんですね、でも…ありがとうございます」

そう言った。
格好いいなぁ。本当に紳士な人だよ…。
女子ってこういう人好きだよね。今なら分かる気がする。さぞモテるんだろうな……


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