きもち野獣。
…………ナ、キ………お……ろ……
………………?
「…きろ……起きろぉぉぉキナぁぁぁぁ!!!!!」
「うわぁぁぁぁ??!!!」
…まさか。
…まさか。
……まさか転校初日から、爆睡するとは…………
私が呆けていると、前で私のアホ面を見て、なっちゃんがお腹を抱えて爆笑した。
ちょっと、人の快眠を邪魔しておいてそれはないんじゃないのー!?
「なによいきなり!私の快眠を邪魔しないでよね!!」
そう反論すると、なっちゃんは涙を流しながら此方を振り向いて、何か言おうとした。
するといきなり、
『あああああ!!!!』
何か思い出したように血相を変えて睨んできた。
わ、たし何かやっちゃったっけ!?
必死で寝起きでまだボケている自分の脳を呼び覚ます。
私が隣で百面相しているのにもなっちゃんは気付かず、ガタンと席を立ち上がった。
「…ちょ、キナ!転校初っぱなから、あの、北条院様だよっ!!アンタ運いいね!!」
渋る私を速く速く、と無理矢理引っ張って廊下に引きずり出す。
すると直ぐ様女子の黄色い歓声が耳に突き刺さった。
「「「きゃぁぁぁああ!!!真人さまぁぁ!!!こっち向いて〜!!!!」」」
…………なに、これ。