恋愛中学生
今はサイコーに気分がいい。
「失礼します…」
優美亜は静かにドアを開ける。
さっきのドアの叩き具合は何だったんだ…。
なんか優美亜の顔を見るのは久々な気がした。
やっと大好きな人に会えた。
「優美亜…来てくれたんだ?でも、夜遅いけど大丈夫?」
優美亜の顔を覗き込むと、目が腫れていた。
すごく泣いたんだな…。
「うん。この病院おばあちゃん家の近くだから!で、おばあちゃんの家に泊まるの」
優美亜がニッコリ笑った。
「優美亜…悲しい思いさせたよな?ごめんな?」
オレはこう言って優美亜の頭を撫でた。
すると優美亜は目から涙を流した。
「うぅ…どんだけ心配したと思ってんのよ!…ヒック…う…グス…」
小さい粒から大きな粒に変わる優美亜の涙。
オレが優美亜の涙を受け止めてやるよ。

それから優美亜はあの日、逃げ出した理由などをひとつひとつ話してくれた。
「オレが優美亜を苦しめちゃったんだね…」
「違うの!友也は悪くない。なんつーか…私が現実逃避しただけなの…」
こう言って首を横にブンブン振った。
「優美亜…。退院したら……」
「友也くん?そろそろ面会時間終了よ?」
オレが優美亜に話そうとしたら、ナースさんに邪魔されちゃった…
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