甘め恋愛 たきざわさゆり×櫻宮まい
当たりたくないな…なんて思ってると、人一倍大きな声が店内に響いた。
「うーん…じゃあー…3番と5番が1週間付き合うっ!」
『…はっ!?』
私の声と誰かの声が、ぴったり重なって店内に響く。
驚いて周りを見渡すと、アヤも驚いた表情でこちらを見ていた。
しかもその手にはしっかりと“3”と書かれた割り箸が握られている。
嘘でしょ…と一人で焦りながら再び自分の割り箸の番号を見たが、やっぱりそこには“5”の文字があった。
「1週間2人で仲良く過ごして下さーい♪」
ヒューヒューと冷やかしの声が上がる。
本当だったら、好きな人と付き合えるなんて凄く嬉しい事だけど、何故か素直に喜べない。
まさかこんな形でアヤと付き合える日が来るなんて…
再びアヤの方を見ると、複雑な表情のアヤと目が合った。
誰かの掛け声でまたゲームが再開されたが、こんな状況で頭がまわるわけもない。
あっという間に時間は過ぎて、気づけば時計の針は解散の時間を指していた。