年上旦那様
「私の目的はただひとつ…漣と別れてちょうだい!」
えぇぇぇぇっっ?!!
いきなり現れて『別れろ』ってそりゃないよー!
ってかどの立場で言ってんの?
(元カノです。)
「いや、あの、栗谷さんに別れろなんて言われる筋合はないんですが……」
マジギレしたいところを抑え、
少々顔を引きつらせて言う。
これ、私ちゃんと笑えてる?(怒)
「何言ってるの?漣は…漣は……」
栗谷さんの声が震えている。
彼女はついにうつむいてしまった。
もしかして、泣いてる?!
これはいかん!
「どうしたんですか?!とりあえず中に入って下さい!落ち着きましょう?」
(まだ玄関だった…。)
泣いている栗谷さんの肩を抱き、
ドアを静かに閉めた。
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