年上旦那様
でも、それにしても……
「漣、なんでこんなところで寝てたの?」
しかも毛布も掛けないで……
そんなことしたら風邪ひいちゃうよ。
「ん?あぁ……ゆゆの寝顔見てたらいつの間にか寝てた。……っくしゅ!」
あぁっ!言わんこっちゃない!
「もう!毛布掛けないからだよ!熱は…?」
私は漣の熱があるかどうか確かめるために、
漣の額に手を伸ばした。
けど……
漣に手を払いのけられた。
「えっ?」
その瞬間、漣の手が私の後頭部にまわり、
私の顔が一気に漣の顔に近付いた。
えっ……まさか、キスッ?!
「だっだめだよ!漣、熱あるかもなんだからっ!」
「え?何が?熱測ろうとしてんだけど。」
くっついたのは、唇じゃなくて額だった。
私はそれがわかった瞬間、
顔の温度が一気に上昇するのがわかった。
「ゆゆ。何考えてた?」
そう言う漣の唇の端は上がっていた。
い、意地悪だ…。
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