年上旦那様
額がくっついたまま、
近距離の漣の瞳を見る。
この目は、楽しんでる…。
「なっ、何も考えてないよっ」
私は目を逸らして苦しい言い訳をした。
バレバレだってわかってるけど…。
「嘘。」
漣がそう言った瞬間、
私が考えたことが本当になった。
唇が離れた瞬間、
漣は唇の端を上げてこう言った。
「こういうこと、考えてたんだろ?」
やっぱり、バレてたよね。
でも、私は恥ずかしさを隠そうとして、
また言い訳を続けようとした。
「漣っ!あのね、これは、そのっ……」
だけど、その途中、
漣の身体が私の身体にもたれかかってきた。
「えっ?!な、何っ?!」
あれ?漣の身体、熱い…。
それになんだか呼吸が荒いような…。
私は漣をソファに寝かせて体温計を取った。
それを漣の脇の下に滑り込ませた。
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