年上旦那様


「漣。できたよ?」
ソファにぐったりともたれかかる漣に声をかけた。
「あ、あぁ…サンキュ。」
私はおかゆの鍋とお椀をテーブルの上に置いた。
「じゃあ私、洗濯するから食べててね。」
そう言って立ち上がった私の手を、
漣がパシッと掴んだ。
「えっ、漣?」
驚いて漣を見ると、その目は熱のせいで潤んでいて、
こちらの理性が吹っ飛びそうだった。
って!女の私が理性吹っ飛んじゃダメでしょ!
と、一人で自分にツッコんだのだが……
「ゆゆ。食べさせて。」
うぇっ?!食べさせる?!
こ、これは…「あーん♪」しろと言ってるのか?!
「いやいやいやいや!無理だよ!は、恥ずかしぃ…」
そんな恥ずかしいこと、できるわけないじゃんか!
いくら二人きりとはいえ…
恥ずかしすぎてこっちが熱出しちゃうよ!
「俺、病人なんだけどなぁ…」
うっ!そこを突かれると……
え、これ、私やるしかないの?
< 50 / 57 >

この作品をシェア

pagetop