ヤンキーアーティスト

警察にて

なんだ？
亮は金髪の髪をかきあげながら目を細めた。亮の目の前には少し小太りのおっさんが立っていた。そのおじさんは帽子というよりはハットといった方がいいような物を手に取り、
｢はじめまして、亮くん。｣
と、言った。
そこで刑事さんが割って入り、
｢お前、身寄りがないだろ？この人がお前の身元を保証したいといっている。｣
は？何をいってるんだ。見ず知らずのこのおっさんに？と、亮は思った。
確かに亮には両親がいなかった。交通事故で６年前に他界、その後親戚をたらいまわしにあい、親戚とは縁を切っていた。
今日日、そんな１７歳がぐれない訳がない。高校は途中でやめ、族に入り、暴れる日も度々だった。

｢あんた誰？｣
亮は半分威嚇のつもりで言った。おじさんは丁寧に、
｢私の名前は柊 吾朗です。職業は一応投資家になりますかね。｣
と、答えた。
｢そんなことを聞いてるんじゃねぇ！なんで見たこともない奴が俺を引き取りたいなんていうんだよ！｣
亮は声を荒げた。
おじさんは慌てて、
｢失礼しました。では改め説明いたしましょう。｣
おじさんはゆっくり話始めた。