あたしの勇気の話





きっかけとは不意にやって来る。


「英検二次会場、どこにするの?」
「えっ、あたし?」
「うん、片上さん」
「えっと…どこに、しよう…こ、小浪くんは?」
「どうしよう。俺、できれば知ってる人いるところがいいからさ」
「あっ、富田トミタくんに聞く?」
「えっ、富田も受けるの?」



えっ………



英語の授業中に、英検を受ける人。


先生が挙手を求めた。
手をあげたのは


あたしと小浪くんと富田くん


ねぇ、キミの視界にあたしが少しでも入っていたって、
喜んでいい?
富田くんじゃなくて、あたしを見たって
少し自信、持っちゃうよ?


もっともっと好きになっちゃうじゃん。





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