ﾘｾｯﾄ～全ての始まりをここへ～

　「なんだ？お前達知らないのか？」
　私を専属として使ってくれている雑誌“jan-jan”の編集長が話しかけていた。
　「え？何をですか？編集長？」
　「MADOKAは3歳から、この道にいるベテランモデルだぞ。」
　「え!?さ…、3歳ですか!?」
　「ああ、MADOKAのデビュー時から目をつけていて“jan-jan”で使ってるからな。」
「なんとなく解ります。
あの子、年のわりに大人っぽくて美人ですもんね。
　撮影時の、あの人を惹き付ける真っ直ぐ見つめる目力の強さが印象的で…。」
　「MADOKAはこの先もモデル界のトップに上り詰めるだろうな…。」
　編集長はスタッフと少し話をして私のほうへ歩いてくる。
　「MADOKA。」
　私は編集長に話しかけられ編集長を見た。
　「編集長…。」
　飲んでいたドリンクをテーブルの上に置き、私は立ち上がる。
　「どうだ、調子の方は？」
　「順調ですよ。」
　私は編集長にニッコリ笑いかける。
　「MADOKAにはもっと頑張ってもらわないとな。
　“jan-jan”の社運はお前にかかっているからな。」
　「買い被りすぎですよ、編集長。
　私よりも凄腕のモデルと契約されてるじゃないですか。」
　「いや、実際子供時代から使っているモデルはMADOKAだけだからな。
　お前の人気は大したもんだよ。」
　「長期に渡る契約ありがとうございます。」
　ニッコリ微笑んだ私を、編集長は私をジッと見る。
　「……MADOKA。」
　「はい？」
不思議に思い返事をする私に編集長が聞いてきた。
　「MADOKA、お前は本当に12歳か…？」