リセット~全ての始まりをここへ~
「…嫌か?」
黙って下を俯いた私を朱鷺濱さんは見下ろす。
「嫌じゃ…ない…。
ただ想像もしていなかったことだから、驚いている…。
仕事だからやらなくてはいけないことも解ってるけど…。」
私は膝の上に乗せた手を強く握りしめる。
そんな私を見て、朱鷺濱さんは私の頭をグシャグシャに撫でる。
「無理することはない。
社長もその辺はちゃんと解っているからな。
お前はしっかりしてるように見えて、本当は普通の12の女の子と変わらないんだからな。
そんなにすぐ決断出来ないのは当然だ。」
私は顔を上げて、朱鷺濱さんを見る。
「今まで“jan-jan”だけだったから不安なんだろう?」
朱鷺濱さんは優しく私に笑いかける。
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