Reality~切ない恋の唄~
第一章 初めての挑戦
東京都渋谷区、
某事務所のスクールオーディション。



電車で片道5時間、
親に内緒で来ちゃった。



初めて見るレコーディングスタジオ。

ドキドキしながら、
両手で重い扉を開ける。

「失礼します…。」



スタジオには、
優しそうなエンジニアのお兄さんと…
ちょっと怖そうなのがもう一人。



黒のTシャツにシルバーのチョーカー。

モデルになってもおかしくないぐらいの長身。

その長い手足は「考える人(?)」みたいなポーズで固まってる。



年齢不詳…
若く見えるのは服装のせい?

田舎ではあまり見かけないタイプだし。

ポーカーフェイスの上にサングラスなんてかけるから、何を考えてるのか全然わかんない…。
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