Reality~切ない恋の唄~
目を閉じれば、
心に浮かぶのはあの人の顔だけ…



これは、
あの人の手だと思えばいいんだ。



どんなに忘れようとしても、
忘れることなんかできない。



目を閉じているのに、
涙が頬を伝った。



突然、
琢磨さんの手が止まる。

「舞ちゃん、ごめん…大丈夫?」



ようやく我に返った。

「琢磨さん…、私…ごめんなさい。」



パーカーのチャックを閉めると、
琢磨さんの部屋を飛び出した。
< 224 / 372 >

この作品をシェア

pagetop