Reality~切ない恋の唄~
ホテルに着いても、
先生の姿が頭から離れない。



龍二先生はちゃんと私を見にきてくれた。

あの帽子をかぶってきてくれた。



先生は、
あの場所で私のことを待っていてくれたんだろうか。



先生の姿を見るのは、
これが最後だなんて思いたくない。



チャンスは今日しかないかもしれない。

一目でいいから、
龍二先生に会いたいんだ。



東京から持ってきたメモ用紙を取り出した。

龍二先生のスクールの住所。



その紙をポケットに入れると、
タクシーを呼び出した。
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