Reality~切ない恋の唄~
じーっと見つめていると、
サングラスをかけた考える人が顔を上げた。

「名前は?」

「高橋舞子、18歳です!」

…自己紹介するのをすっかり忘れてた!!

今日審査されるのは私のほうなのに…

業界人を観察しすぎだ。



慌てて頭をペコリと下げる私。

「よろしくお願いします…。」



なんとか笑顔を作って、
隣のガラス張りの部屋に入る。



小さな部屋の中には、
マイクと譜面台と、その上に置かれたヘッドホン。

ヘッドホンをつけると、
エンジニアさんの声が響いてくる。

「カメラ目線でワンコーラスだけ歌って下さい。」



大きく深呼吸して、
私はうなずいた。
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