Reality~切ない恋の唄~
消火器を持ち上げると、
ダッシュで戻る。

慌ててホースを抜き、
レバーを引いた。



「あれっ…?」

中身がでない…

避難訓練の時、
真面目に聞いてなかったし

実際に消火器を使ってみたことは一度もないし。



なんか肝心なとこ間違えてる気が…

この期に及んで、
説明書を読み直す情けない私。



「やめろ…!!」

男は麗さんのシャツのボタンを引きちぎった。



こうなりゃ、女は度胸だ!!

消火器を抱えて、私は叫んだ。

「いい加減にしなさいよ!このエロ親父~!!」
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