Reality~切ない恋の唄~
私一人じゃ、
麗さんをどうしたらいいかわからない…

すがるような目で遼さんに助けを求める。

「遼さん、聞いてください。
さっき、変な記者が麗さんに…」



「舞…!!」

いきなり鋭い声で呼び捨てにされて、
慌てて麗さんのほうに振り返った。



「何も言うんじゃない…
このことはStreamのメンバーも知らないから。」

麗さんが女の子だってこと、
他のメンバーには言ってないんだろうか。

麗さんが一人で背負いこむには重すぎる…



「でも…」

言葉を続けようと、
遼さんのほうへ歩き出した瞬間…

麗さんは私の手をつかんだ。



震える声で麗さんは言う。

「言わないで…。お願いだから。」

そんな目で見つめられると、
何も言えなくなってしまう。



その時、
麗さんは泣いていた。
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