Reality~切ない恋の唄~
客席が騒がしくなってきた。

もうすぐ、
ファーストステージの幕が上がる。

最初の子が歌い始める頃には、ステージの袖に呼ばれた。



私の前に歌うのは、
最年長のお姉さん。

服装もそんな派手じゃないし、優しそうな人。

緊張してガチガチの私を気遣って、声をかけてくれる。



この人の次でよかったと思ってたんだけど…

歌い出すと、
なんとびっくりマライアキャリー!!



もううちに帰りたい…



「頑張ってね!」と、
お姉さんからマイクが渡される。

私はマイクを両手で握りしめ、ステージへと歩き出した。
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