Reality~切ない恋の唄~
日本人形もびっくりな黒髪!!

この前も私を見てた人。



腕を組んだまま、
じっとこっちを見てる。

龍二先生よりすさまじい目力。

誰だろう…?



二回目の歌が終わった時、
その人の口元がかすかに笑った。

私に向かって微笑んだというより、自己満足してる感じ。



ヘッドホンを置くと、
先生達がいる部屋に戻る。



「舞子ちゃん」

「はい…?」

「今どき珍しい子ね。」

女の人はそう言うと、
龍二先生に向かってうなずいた。

その人と先生が
何かの書類を眺めてる姿を気にしながら、スタジオを出る。



扉を半分ぐらい閉めた時、
女の人の声が聞こえた気がした。



「いいんじゃない、あの子。」
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