尽くしてるのに、、、
―ガチャッ
拓真の部屋に入ると、香水の匂いがした。
「…久々に入ったけど
相変わらず汚いね。」
拓真の部屋は 雑誌やら洋服やらがそこら中に散らかっていた。
「うっせ。
お前が急に来るとか言うから 片付ける暇がなかったんだよ!」
そう言って怒る拓真が少し可愛いと思ってしまう。
「…てか、お前かなり濡れてんじゃん。」
「あっ…。」
そういえば…。
雨が降ってたけど お構い無しに無我夢中で走ってきたんだっけ。
「母さんも タオルぐらい渡してやればいいものの…
なんか 抜けてんだよな。
母さんは。」
「ビックリしすぎて 忘れちゃったんだよ。」
「オカシイだろ。」
そう言うと、拓真はタンスの上からタオルを取り、私に渡してくれた。
「…ん。」
「ありがと…。」
私は 髪をタオルで包み 乾かし始めた。
「脱げ。」
拓真が真顔で言う。