門限9時の領収書
両親は完璧ではないのだから、いいや、人間は完璧ではないのだから、それを認めるのが大人だ。
そこを不満に思い、反抗したりイライラするのはお子様な証拠。
でも、大人になる前には必然な現象だから悪いことではないはずだ。
そんな風に考えられるようになっただけ、今もマシに成長しているはずだし、
結局まだ自分は子供だということなのだろう。
――反抗期は甘ちゃん、甘ちゃんな洋平は勝手にそう思っていることにしている。
黒い髪をした無垢な少年。
いつか反抗期に突入するのだろうか。
その時に可愛い彼女はまだ隣に居るのだろうか。
結婚できていたりするのだろうか――なんて洋平はとことん夢見がちだ。
「良、寝よっか。お兄ちゃんと寝よう、お風呂出るの待ってて、ね?」
『ヤダ、天ぷら臭いもん』
「……。」
生意気な弟に苛立たないのも、大人への一歩。
成長した証拠、きっと。
夜空に向かってフラワーシャワーをすると、キラキラ星に変わればいいのに。
あの輝きは何カラットの宝石に値するのだろうか。
星が手に入るなら、指輪に嵌め込んでいつの日かプロポーズがしたい。
そんな夢のような話を現実にしたい夢――
…‥