俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
「あの声は彰さんっ!!」
玲は身軽に立ち上がると部屋を出ていった。
「玲ちゃんすごいね。」
「そ、そうだね。」
笑顔でそう言うエマちんに、あたしはため息交じりに返事を返す。
ふぅ~~~~。
はぁ、寿命縮まるとこだった。
でも、あたしは疲れで寝転がりたくなったのをぐっと我慢する。
「ねぇ、実來ちゃん、私も未来ちゃんのお兄さん会ってみたいな。行こう。」
エマちんはワンピの裾のレースをふわりと揺らして立ち上がり、手を引っ張って立たせてくれた。
そうだ、エマちんはまだお兄ちゃんに会ったことないんだよね。
「チャラい兄だけどね。わかった、行こう。」
そうしてあたしたちも、玲に続いて廊下に出た。