俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
あたしは気になって階段の方をじっと見つめた。
だんだんと現れるこのリズムの正体。
シャギーの入った黒髪、優しげな目もと、筋の通った高い鼻。
長身でスタイルがよく、白いシャツをさらりと爽やかに着こなしている。
例えるなら、王子様って言葉がぴったりだろう――。
「久しぶりだね、実來ちゃん。」
その人は目の前まで来ると、あたしの頭に触れぽんぽんと撫でる。
この感触、すごく懐かしい……。
優しく目を細める笑顔も、3年前からかわってない――。
「――祈織お兄さん――。」