俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


まさか、また会えるなんて思ってなかったよ――。


胸に驚きと嬉しさが込み上げて、思わず顔がほころぶ。


「みっみっ水無月いいい祈織ぃ!?」


鼓膜に高い叫び声が鳴り響き、あたしはふと我に返る。


声の主の玲を見れば、目が飛び出しちゃうんじゃないかと思うくらいに目を見開き、震える指先で祈織お兄さんを指差していた。


「祈織と一緒にいるとすぐこうなるんだよなぁ。」


お兄ちゃんは悔しそうに頭を掻いている。


「しょうがない、紹介するよ。コイツは俺とタメで大学2年のダチであり、俳優の水無月祈織。」



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