俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
はぁ~、ホントに最近忙しい……。
俺は深く椅子にもたれ込み、目をつむり、目頭に手をやった。
歌にドラマに、雑誌の取材、色々仕事が立て込み、疲労が蓄積されていってる。
だが、この休憩時間、休んで無駄にするわけにはいかないんだ。
演技についてはまだまだ初心者で学ぶべきことが山積み。
……どんなに大変だって、頑張らなきゃならない。
………だって俺は“山田太郎”を捨てて、“神崎拓真”になったのだから……。
そう、捨ててきたんだ――。
俺は体を起こし台本に目を落とした。
主役のセリフが目に入る。
俺はまだ脇役だからな。
それにしても今回の主役のやつは気に入らない……。