俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
上から降ってきた声に顔を上げれば、いつもの爽やかスマイルの水無月祈織がいた。
俺には、この笑顔が嫌味にしか見えねー。
「いえ、俺なんかまだ未熟で。」
でも、ここは先輩をたてる後輩を演じなければならない。
俺は苦笑いをしつつ、そうこたえた。
「いや、神崎君はすごいよ。デビューしてまだそんなに経っていないのに。本当にすごいと思うよ。」
水無月祈織は俺の隣の席に腰掛けながら感心したように言う。
結局俺のこと下に見てんだな。
先輩面してるとこも、
この嫌に爽やかなとこも、
全部嫌いだ。