俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


「今日は、少し時間があったから、彰に実來ちゃんの学校聞いて行ってみたんだ。」


そして、祈織お兄さんは信号が赤になったのを確認すると緩やかにブレーキを踏んだ。


すると、祈織お兄さんは顔をあたしの方に向けこう言う。


「実來ちゃんに久しぶりに会えたことが嬉しくてさ。そうしたらまた会いたくなって。」


あたしの心臓がドキンと跳ねる。


胸がキュンとしてなんて言っていいかわからない。


祈織お兄さんは、優しく微笑みながらいとも簡単にあんなセリフを言うの――。


女の子が想像する王子様みたいなセリフを――。


そんなセリフを王子様みたいな祈織お兄さんが言うんだもん、ドキッとするよ。


あたしだって女の子だもん……。


でも、そんなことなかったかのように、青信号に変わると平然と車を発進させる。


祈織お兄さんは、きっとあんなセリフ簡単に言えるんだろうね。



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