俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
―――――――
――――
あたしは口を半開きにして、上から下へとなめあげるように店の外観に見惚れた。
赤茶のレンガ壁に英国風のとんがった屋根、金色の取っ手が輝く黒い扉。
歴史を感じる外観は、あたしなんぞには近寄りがたい……。
「……い、祈織お兄さん、ここですか……?」
「うん。子供のころから家でもよく行ってた馴染みの店なんだよ。」
はぁ……。
祈織お兄さんのお家の方も行ってたお店じゃ余計に場違いじゃないですかい??
高級外車で祈織お兄さんの隣に乗ることだけでも場違いだと思ったあたしがですよ!!
「さぁ、行こう。」
祈織お兄さんはあたしの手を引き、扉を開ける。
あぁ、どうしよう……。