俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


床は完ぺきに磨きあげられていて、真っ白な壁には、絵がいくつか掛けられている。


よく漫画で出てくるじゃん?


お嬢様が住んでるお屋敷、まさにそんな感じ。


あぁ、高級なにおいがするよぉ……。


「これはこれは、水無月様の祈織お坊っちゃまではございませんか。お久しゅうございます。」


その声に気付いて視線を移すと、一本の狂いもないほど綺麗にセットされた白髪に、白のカッターシャツに黒のベスト、スラックスといった執事のような格好をした紳士が深々と頭を下げてきた。


さすがセレブ――。


実は祈織お兄さん、人気俳優という一面以外に、有名企業の社長の息子という顔も持っているのだ!


「久しぶりです。今日は女の子も一緒なんでよろしくお願いします。」


「左様でございますか。では席にご案内させて頂きます。どうぞこちらへ。」


白髪紳士は品良く微笑むと、あたしたちを席へと案内してくれた。


なんか緊張するよぉ。



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