俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
案内されたのは窓際の席で、ドレープの寄ったレースのカーテンはとてもきれいで、テーブルと椅子は木製のアンティーク調で高級感に溢れていた。
白髪紳士は静かに椅子を引きあたしに会釈する。
「ど、どうも……。」
あたしは思わず緊張で縮こまりながら、ぎこちなくあたしとは不釣り合いな椅子に腰かけた。
「実來ちゃん、何でも好きなもの頼んでいいからね。」
「あっ、はい……。」
祈織お兄さんはやわらかく微笑んでそう言ってくれるけど、……頼めないよぉ。
あたしはおずおずとメニューを手に取る。
……写真がない……。
ファミレスみたいに写真いっぱいのってないよ!!
あぁ~、わからん!
あたしが悩んでいる間にも、祈織お兄さんは手慣れた様子でスムーズに注文している。