俺様アイドルとオタク女のキケンな関係


あたしも3年前の中一の頃のことを思い起こす。


「そうですね。よくゲームしたりして。」


「俺、彰にやられっぱなしだったなぁ。いつもコテンパンに負けて。」


祈織お兄さんは悔しげに頭をくしゃりと掻きながら、苦笑いした。


そうそう、よくマリコカートしたっけ。

バナナ踏まされたり、雷おとされて踏まれたり、あたしも祈織お兄さんもそれはそれは散々なやられよう。


「お兄ちゃん、意地悪ですからね~。妹に一度だって手加減してくれたことないですよぉ。」


本当に意地悪なんだから、お兄ちゃんは!

あたしはぷぅっと頬を膨らませた。


その点、祈織お兄さんは大違い。


「あんな意地悪なお兄ちゃんじゃなくて、祈織お兄さんがお兄ちゃんだったらよかったのに。」


ホント、祈織お兄さんみたいな人がお兄ちゃんだったら素敵だなぁ――。



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